Interview
精神保健福祉士
南川 悠
普段のお仕事内容を教えてください
私は、当院において、子供達を対象にした療育グループとその保護者を対象とした親グループを担当しています。
子供グループは、就学前・小学生・中高生の3つのカテゴリーのグループがあり、子供達それぞれのペースを尊重し、今出来ている事を認め誉めることで意欲を伸ばし、集団場面でのスキルや自信を伸ばす事を目的としています。
また、親グループでは、「ペアレントトレーニング」「サポートブック作り」「相談会」「専門家を講師に向かえた勉強会」「発達障害を持った当事者によるお話し会」などを行い、保護者自身の子供への関わり方を我が子に合った適切な関わりに変えたり、保護者の気持ちに寄り添い多職種で関わり明るい見通しをお伝えしたりすることを目的としています。
その立場から見ると、ただでさえ全国でも発達障がい専門のクリニックが少ない現状の中、専門の診察に加えて子供と保護者の双方を対象とする療育と教育のグループを行っているクリニックは限られていると思います。
当院では、開院時よりドクターと多職種のスタッフが協力して専門性を発揮し、患者様やそのご家族様に対してきめ細かな支援を行う事を目的に掲げております。
その為、当院のスタッフは全員患者様や保護者様に関わる時は、自分が持つ専門性を全力で発揮できるように日頃から準備を怠らないように意識しています。
医療法人悠志会の理念を全スタッフが共通意識で持っているので患者様に対するブレない対応が実現できていると思います。
職場の雰囲気を教えてください
クリニックなどの小規模な職場ではよく聞かれる”あるある”な話ではありますが、限られた範囲の中少人数で働いているので、常に顔を合わせる事になり、家族のようなフレンドリーな雰囲気になります。
もちろんケンカになると険悪な雰囲気から逃れることも出来なくなりますが。(笑)
しかし、距離が近い分他のスタッフの考えや努力、そして結果が手に取るように分かります。 その為、お互いが尊敬しあい、自分に足りないものを補ってもらったり、自分が出来る事で相手を補ったりする関係がスムーズに作る事ができます。
見えない範囲で仕事をしているとお互いが何をしているか理解出来ずに勝手に悪い想像をして仲たがいしてしまう恐れがあります。
その点で言うと当院はお互いの仕事や考えが見える分、協力して仕事を進める事が出来ていると思います。 また、ドクターとコメディカルの関係もフレンドリーでワンマン経営の雰囲気ではなく、スタッフ全員が一丸となって患者様の為に協力して働いている点は、当院の最大の魅力だと思います。
日々、大変な仕事ではありますが、スタッフ全員が同じ気持ちを持ち前向きに進んでいる職場でありますので、苦ではなくモチベーション高く働いています。
発達障害医療に対する信念をお聞かせください
私が患者様と関わる際に絶対に決めている事が2つあります。
一つ目は、「患者様を否定しないこと」です。
子供達や保護者の方々は毎日悩み辛い思いをしてどうしようもなくなり当院を受診されます。
身も心もボロボロの状態です。これは新患も再来も同じです。最初の受診でも100回目の受診でも幸せ100%で来院する方は一人もいません。
そんな状態で来院され助けを求めている患者様を我々スタッフが否定してしまったらどうなるでしょうか?
例え社会通念上患者様が間違っていたとしても頭ごなしに否定しないようにしています。必ず肯定的に話を聞き一緒になって解決に向けてのお話しをさせて頂いています。
その過程の中で新たな提案として患者様の意見を変更して頂けるように努力しています。
患者様も自分の気持ちを受容してもらうことで初めて新たな意見を受け入れる事が出来るようになると思います。
二つ目は、「患者様の前で首を傾げないこと」です。
自分自身がどんなに分からなかったり困ったりしても絶対に首を傾げないと決めています。患者様が困って来院されたにも関わらず「分かりません」「どうしましょう」と言われたらどんな気持ちになるでしょうか?
悲しい気持ちや不安な気持ち、更には不信感につながっていきクリニックの評判はどんどん下がっていきます。自分自身が分からずに不安になってしまった場面でも今出来る範囲の事を全力で出し切り、自分では解決できない問題は前向きに他の機関をお伝えするようにしています。
知ったかぶりをせず謙虚に、でも自信を持って患者様と関わる事で信頼を得る事が出来ると考えています。
この二つの事を胸に日々精進しています。
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