Interview
臨床心理士
廣田 瑞穂

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普段どんなお仕事をされていますか

心理士は、新患の初回面接を担当します。始めてこられた患者さんと初めてじっくりと話すスタッフになるため、患者さんができるだけ緊張がほぐれるように、そして困っていること、感じていることをできるだけ話しやすいような雰囲気づくりを一番に心がけています。

患者さんが困っていることは何か、一番うまくいっていないところはご本人の思ってあることと、実際起こっている問題とにズレが生じていないかなどできるだけ客観的な視点を持ちながらも、患者さんの気持ちに寄り添いながらお話をお聞きするように気を付けています。患者さんが当院に安心して通えるように、今後の見通しを伝えたり、子どもの不安な気持ちを言葉にしたりする努力をしています。

当院での心理士の仕事は、初回面接の他にも、心理検査、グループ活動などがあります。心理検査においてもグループ活動でも、患者さんの中には初めて会う人、新しい環境が苦手な方も多いので、出来るだけこちらが緊張せずに柔らかい雰囲気でお会いすることを心がけています。
心理検査においては、患者さんの困ってあるところはどこか、どのような点で躓きがありそうかなど、検査内容、検査時の様子、ご本人保護者の方が語られる言葉の中からできるだけご本人役立つ形でお返しできるようにと考えています。グループ活動では、小学生グループ、中高生グループを担当しています。同年代での関わりが苦手な方、緊張が強い方などが多いですが、お友達立ちと同じ空間にいて楽しい体験、出来た!という達成感、共有できる喜びなどを意識しながらグループ運営を行っています。

業務において特に意識していることを教えてください

当院では”できること””できないこと”を事前に打ち出しています。
ホームページに当院の治療に対する考え方を載せており、納得してこられた方に来ていただいています。新患の電話受付においては、「ご本人さんに受診の医師があるか」などの確認をさせていただきます。
これらは、これまでの当院での臨床経験から、治療の意思がないが周囲から勧められての受診、本人は無自覚で家族だけが何とかしてほしいなどの受診により、治療継続が難しかった事例などの経験から始まりました。
受診を望まれる方が多くいらっしゃる中で、いかに適切に早い段階でより良い治療をつなげるかを考えた治療姿勢だと考えます。

 

業務においては、初診は院長と心理士でインテークを行い、診立てと今後の検査内容、方針の検討を行います。
継続的に来院されるとPSWが行うグループや保護者や子どもの支援を行い、日々の受付で受付スタッフが患者さんの変化に気づいて医師へ伝達するなど、それぞれの気づきを共有しており、クリニック全体の動きがすべてチームで行なっています。
患者さん本人だけでなく、保護者への勉強会を開催していることも特徴です。発達障害は医療現場ではまだまだ開拓生涯にわたりその特徴を抱えていくため、進路選択、対人関係など長期にわたり支援を必要とすることもあります。
そのため、学習の取り組み方についての勉強会、高校進学についての勉強会、当事者のお話していただく会などの将来への不安を和らげたり、家庭での取り組みをイメージしていただくけるような会を行っています。

 

なぜ医療法人悠志会で働くのでしょうか

クリニックの魅力は発達障害に対する知識・技術・対応について常に新しい課題に取り組み、知識や技術を更新している点です。スタッフが臨床的に、専門的に向上したいという気持ちもサポートしてくれます。

また、グループ活動や啓蒙活動など、患者さんのための新しい取り組みなど新しいことにチャレンジすることを認めてくれるクリニックです。グループ活動の中で子どもたちから出てきた提案でハロウィンには仮装パーティーをしたりもしました。新しい取り組みでスタッフとしては不安もありましたが、みんなとても楽しんでいました。

発達障害は医療現場でもまだまだ新しい領域であり、医療現場における支援も開拓段階で常に新しい課題が出てくるため、大変なこともありますが、やり方を見直したり新しいことを取り入れたり、とてもやりがいを感じています。患者さんの変化を日々感じられ、成長を感じうれしく思うことも魅力です。

 

働きやすさにおいては、個々のスタッフの良さがあります。どの方も一生懸命に努力される方、いつも刺激を受けます。お医者さん、PSW、NS、医事とそれぞれの専門性が生かして働かれている方ばかりです。
また、子どもがいるスタッフには子どもが病気の場合に嫌な顔をせず、子どもの病気を心配してくださいます。できる限りご迷惑をおかけしないようにとは思っていますが、緊急の子どもの病気の際には、遅刻や早退などを配慮してくださいます。